かきの豆知識
かきの栄養成分
かきの栄養成分
*Tr=0ではないが微量
栄養素
生かき
普通牛乳
エネルギー
60Kcal
67Kcal
水分
85.0g
87.4g
たんぱく質
6.6g
3.3g
脂質
1.4g
3.8g
炭水化物
4.7g
4.8g
灰分
2.3g
0.7g
無
機
質ナトリウム
520mg
41mg
カリウム
190mg
150mg
カルシウム
88mg
110mg
マグネシウム
74mg
10mg
リン
100mg
93mg
鉄
1.9mg
0.02mg
亜鉛
13.2mg
0.4mg
銅
0.89mg
0.01mg
マンガン
0.38mg
Tr
ビ
タ
ミ
ン A
レチノール
22μg
38μg
カロテン
6μg
6μg
レチノール当量
23μg
39μg
E
1.2mg
0.1mg
B1
0.04mg
0.04mg
B2
0.14mg
0.15mg
ナイアシン
1.4mg
0.1mg
B6
0.08mg
0.03mg
B12
28.1μg
0.3μg
C
3mg
1mg
コレステロール
51mg
12mg
食塩相当量
1.3g
0.1g
<参考文献 五訂食品成分表2003より引用>
働き・効能 | 備考 | |||
タウリン |
・血圧を改善し、 コレステロール値を低下 ・脳卒中や心臓病を予防 ・疲労回復に役立つ ・肝機能を高め、肝臓の解毒作用を強化 ・腸内運動を活発化し、 悪玉腸内細菌の異常繁殖を予防 |
・含硫アミノ酸の一種 ・別名:アミノエタンスルホン酸 ・たんぱく質=アミノ酸の結合物 |
||
無 機 質 |
ナトリウム | ・細胞内外の物質交換や 細胞の浸透圧 体液のpH,水分の調節 |
不足は起こりにくい |
|
カリウム | ・余分なナトリウムを排泄し 血圧を低下 |
欠乏症・・・筋力低下・食欲不振 無気力・いらだち |
||
カルシウム | ・強い骨や歯を作る ・安定した精神状態を維持 |
欠乏症・・・骨粗鬆症・老人性痴呆 骨,歯の形成障害 |
||
マグネシウム | ・新陳代謝の調節に不可欠 ・心臓病を予防 ・筋肉や神経を正常に維持 |
欠乏症・・・神経過敏症・妄想 筋肉のけいれん |
||
リン | ・カルシウムと一緒に骨や 歯を作る主材料 ・糖質,脂質,たんぱく質の代謝を促進 |
欠乏症・・・骨,歯の発育障害 | ||
鉄 | ・ヘモグロビンの構成物質 ・体内に酸素を運び、貧血を予防 |
欠乏症・・・貧血・脳障害 | ||
亜鉛 | ・細胞の生成や体の発育に不可欠 ・脳の機能を活発化 |
欠乏症・・・味覚,嗅覚の低下・生育 生殖機能の低下 |
||
銅 | ・ヘモグロビンの合成を促進し、 鉄の吸収を助ける ・コラーゲンの生成 |
欠乏症・・・貧血・脳障害 | ||
グリコーゲン | ・疲労回復に役立つ | ・単糖類が数多く結合した多糖類 ・炭水化物=糖質 |
||
ビ タ ミ ン |
A | ・網膜生成に必要 ・病原菌の侵入を防ぐ |
・化学名:レチノール 欠乏症・・・夜盲症・肌荒れ・口内炎 |
|
E | ・細胞の老化、しみを防ぐ ・動脈硬化,高血圧 心臓病,脳卒中を予防 |
欠乏症・・・不妊症・冷え性・しみ そばかす・歩行困難 |
||
B1 | ・エネルギー(糖質)代謝に必要不可欠 ・脳や神経機能を正常に維持 |
欠乏症・・・ウェルニッケ脳症 ・脚気 | ||
B2 | ・糖質,脂質,たんぱく質の代謝を 促進し成長を助ける |
欠乏症・・・口内炎・肌荒れ 脂漏性皮膚炎 |
||
ナイアシン | ・糖質,脂質,アルコールの代謝に 必要不可欠 ・皮膚の機能を正常に維持 ・脳神経の働きを助ける |
欠乏症・・・胃腸障害・めまい ペラグラ皮膚炎・頭痛 |
||
B6 | ・たんぱく質,脂肪の代謝を促進 ・脳神経の発達に必要 ・妊娠初期のつわりに有効、 月経時のイライラを解消 |
欠乏症・・・脂肪肝・神経障害 アレルギー症状 |
||
B12 | ・ヘモグロビンの合成を助ける ・脳の働きに作用し、バイオリズムを 正常に維持 |
欠乏症・・・貧血・食欲不振 神経過敏症 |
||
C | ・コラーゲンの生成を促進 ・メラニン色素の生成を抑制 ・免疫力を強化 ・発がん物質の生成を抑制 ・ストレスを解消 |
欠乏症・・・かぜ・肉体疲労 ・しみ そばかす・壊血病 |
<参考文献 栄養成分事典 主婦の友社発行より引用>
生かきの県別生産量
生かきの県別生産量
<参考資料 農林水産省:漁業・養殖業生産統計年報>
広島湾の恵まれた自然環境
母なる太田川
広島湾に流れ込む太田川は陸上の栄養塩(窒素・その他微量栄養素)を運び込みます。その栄養塩により、かきの餌となる植物プランクトンが増殖します。こうして味の良い高品質なかきが育ちます。
穏やかな潮流
島や岬に囲まれた広島湾は、潮の流れが穏やかです。かきの養殖筏(いかだ)が壊れにくいため養殖に適しています。植物プランクトンの流出を防ぐ役目も果たしています。
塩分の層
降雨と太田川の流量により海水の塩分濃度に差ができます。表層は濃度が低く下層は濃度が高いのです。この塩分の層により、かきの餌・栄養塩・酸素等は混合されにくくなるため、かきの養殖に適しています。
海水温度の変化
夏の水温上昇は、かきの産卵を活発にします。秋から冬にかけ水温は低下しかきの身入り(グリコーゲンの蓄積)が良くなります。
生食用と加熱調理用の違い
生食用と加熱調理用の違い
施行日:2005年9月7日
生食用と加熱調理用の違い
広島県では、「生食用かき」と「加熱調理用かき」で採取海域を指定しています。
「生食用かき」の採取海域は、海水100mlあたり大腸菌群最確数70以下の海域とし、「指定海域」(清浄海域とも呼ぶ)としています。
それ以外の海域は「加熱調理用かき」の採取海域であり、「指定外海域」と呼んでいます。
ただし、雨が降った後に河川の水が大量に流れ込み、一時的に指定海域の基準を外れる海域があり、これらの海域を「条件付き指定海域」としています。
生食用・加熱調理用ともに、鮮度に違いは無いのです。
生食用かきは、生食用(酢の物・和え物)はもちろん加熱調理用としても召し上がれますが、指定海域は、かきの餌となるプランクトンが少ないため加熱調理用かきよりも多少小粒です。
加熱調理用かきは、かきの餌となるプランクトンが豊富な海域で育っているため栄養素が十分補給されており、かきの身がふっくらしています。
生かき安全衛生検査を実施し、より安全を期してお届けしております。
海のミルクと呼ばれる栄養素たっぷりの広島産かきをご堪能下さい。
広島かきの歴史
広島かきの歴史
広島におけるかきの歴史は古く、広島市牛田の北の西山(261m)には
縄文時代の貝塚があり、かきやあさり等の貝殻が見られます。
かき養殖が始められた時代については、下記のように多くの説があり明確ではありません。
1.天文年間(1532~1554)に安芸国で発明されたとの説
2.元和(げんな)5年(1619)浅野長晟(ながあきら)が
紀伊よりかきを移植して養殖の基を開いたとの説
3.寛永年間(1624~1643)に仁保村の吉和屋平次郎が
石、竹枝に付いたかきを見てヒビ建(ひびだて)の法を始めたとする説
4.延宝元年(1673)に佐伯郡草津の小林五郎右衛門がヒビ場を設けたのを始めとする説
5.天明4年(1784)に安芸郡坂村の伊予屋利助がヒビ建の法を独創したとの説
養殖法は、14世紀半ばから15世紀初めに始められた地蒔式・ヒビ建養殖法、昭和元年に始められた杭打式垂下(簡易垂下)法、昭和28年から実施されている筏式垂下法(いかだしき)があります。現在では、筏式垂下法が用いられており、生産量を飛躍的に伸ばしています。
広島湾では広島県水産試験場が昭和25年(1950)から、かきの軟体部の組織学的研究・細胞学的研究を実施しました。広島県は昭和42年(1967)11月にかき養殖海域を衛生的に区分し、「指定海域」と「指定外海域」を決定しました。この海域は昭和59年(1984)に海域指定変更、昭和60年(1985)の「条件付指定海域」の設定と変更を経て、現在の海域区分になりました。
養殖業者が長年に渡り海域を研究し、かき養殖の特性をつかみ養殖管理を行ってきました。
その熱心な努力の積重ねにより現在の“日本一の広島かき”があるのです。